今年も発表された
2017年ノーベル賞
日本人の受賞は無かったが、
「クライオ顕微鏡」のコンソーシアムでは日本の企業が既に使用(関与)しているのをご存知だろうか?
2016年4月そーせい(製薬会社)の子会社「ヘプタレス」発表一部引用で
===
子会社 Heptares 社、構造ベース医薬品研究の発展にむけた
最先端の低温(クライオ)電子顕微鏡法研究のコンソーシアムに参加
当社子会社である Heptares Therapeutics (ヘプタレス・セラピューティクス、以下、
「Heptares 社」)は、医薬品企業 4 社(Astex Therapeutics 社、アストラゼネカ社、グラク
ソ・スミスクライン社、UCB 社)、英国メディカル・リサーチ・カウンシルの分子生物学研
究所(MRC-LMB)、ケンブリッジ大学ナノサイエンスセンター、高機能顕微鏡メーカーであ
る FEI 社と共に、世界初となる、共同研究を目的としたケンブリッジ―製薬企業低温(クラ
イオ)電子顕微鏡(以下、cryo-EM)コンソーシアムの設立を発表しました。
このコンソーシアムは、タンパク質の構造を分子レベルで解析するための 3 次元情報を
得ることが出来る、新たな分析技術である低温電子顕微鏡(cryo-EM)の有用性について評
価することを目的としています。X 線結晶構造解析法や核磁気共鳴分光法のような伝統的な
構造解析手法と共に、cryo-EM は複雑な分子集合の構造体を原子レベルに近い精度で明らか
にすることができます。このような詳細な情報は研究対象となるタンパク質の構造と機能
に関する理解を深めるのに有用であり、G タンパク質共役受容体(GPCR)をはじめとする特
定のタンパク質を対象とした新規医薬品のデザイン技術を進歩させます。
cryo-EM 領域におけるパイオニアであり Heptares 社の共同創立者でもある、MRC-LMB の
リチャード・ハドソンは、次のように述べています。「多くの人々が長年に渡り開発に携
わってきた cryo-EM が、いよいよ構造生物学の主流となるに至ったことを喜ばしく感じて
います。とりわけ、製薬企業がこの技術を医薬品開発にむけて評価することを望んでいるこ
とに満足しております。」
FEI のライフサイエンス事業のヴァイスプレジデント兼ジェネラルマネージャーを務め
るピーター・フラストファーは次のように述べています。「cryo-EM の 3D モデルを活用す
ることにより、他の方法においてはサンプル調製が困難であったり、分子が大きく複雑であ
るゆえにこれまでは解析が出来なかったりした、タンパク質による分子機械の働きを理解
することが可能になります。この手法は一流の大学研究者らに瞬く間に浸透し、これから医
薬品業界の早期の探索から開発の段階において有用性が評価されようとしています。」
2
Heptares 社の Chief Scientific Officer であり共同創設者であるフィオナ・マーシャル
は次のように述べております。
「cryo-EM 分野の飛躍的な発展は、膜タンパク質複合体の微細構造を解析する我々の技術
に革新をもたらします。cryo-EM は構造ベースドラッグデザインの今後を左右していく段階
に到達しており、Heptares 社はその開発の第一線を担ってまいります。」
出典「そーせい IR」
======
いわゆる、研究開発が今まで以上にされていることを裏付ける「クライオ顕微鏡」がノーベル賞ですね。